抵当権設定

3.(根)抵当権設定登記について

金融機関から住宅ローンを組んで、土地を購入したり、家を新築したり、マンションを購入
した時、通常、融資を受けた金融機関と土地や建物を担保とする抵当権設定契約を結びます。

抵当権設定契約を結ぶと、金融機関は、債務者(お金を借りた人)がローンの返済がない場
合に、その不動産を差押えて競売にかけるために、新築による所有権保存登記や売買による
所有権移転登記と同時に、抵当権設定登記を行うことになります。

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 3-1.抵当権とは
 3-2.抵当権の登記事項、必要書類、登記費用
 3-3.根抵当権について


3-1.抵当権とは

広い意味の担保には、連帯保証人などの人的担保と、不動産・動産に設定する物的担保があ
ります。

民法上で規定されている物的担保は、留置権、先取特権、質権、抵当権(根抵当権を含む)
の4つがあります。その他の非典型担保には、譲渡担保、仮登記担保契約、所有権留保、代
理受領などがあります。

各担保にはそれぞれ特徴がありますが、その中で抵当権は、優先弁済権、附従性、随伴性、
不可分性、物上代位性、非占有型担保などの特徴があります。

1.優先弁済権
ローン(被担保債権といいます。)の返済を受けられない場合は、抵当権者(金融機関)は
、その不動産を競売して、売却代金から他の債権者に優先して弁済を受けることができます。また、1つの不動産に複数の抵当権がある場合は、登記記録上の順番に従って、弁済(配当
)を受けることができます。

2.附従性
被担保債権が存在しなければ、抵当権は存在しえないことで、ローンの全額を返済すれば、
当然に抵当権も消滅します。ただし、抵当権抹消の登記申請は必要です。

3.随伴性
被担保債権の移転に伴って抵当権も移転することで、たとえば、金融機関の間で被担保債権
が譲渡されたり、保証会社が代位弁済をした場合、債務者にその旨の通知がされ、異議を述
べなければ、当然にその抵当権も譲渡先に移転します。

4.不可分性
ローン全額の返済を受けるまで、抵当権は消滅しないことを意味します。

5.物上代位性
抵当権を設定した不動産を、売ったり、貸したりした場合、その売却代金や賃料に対して抵
当権を実行できることを意味します。

6.非占有型担保
担保を差し出した人が、抵当権を設定した不動産をそのまま使用することができることを意
味します。この点で、担保の目的物を債権者に引き渡す質権と異なります。

7.抵当権の効力が及ぶ範囲
土地の場合、立木・植木・取り外し困難な庭石や石垣にも抵当権の効力は及びます。
建物の場合、戸・雨戸・物置・エレベーター・配電盤にも抵当権の効力は及びますが、家財
道具や畳には及びません。また、建物を増築したりリフォームした場合でも、その建物と一
体となっている限り抵当権の効力は及びます。

 

3-2.抵当権の登記事項、必要書類、登記費用

登記事項
【必要的記載事項】
①債権額
②債務者(2人以上は、連帯債務者)
【任意的記載事項】
③利息(年○○%、など)
④損害金(年○○%、など)
⑤特約(立木には抵当権の効力は及ばない、など)

必要書類
抵当権者(金融機関等)
①登記原因証明情報(設定契約書など)
②本人確認情報(運転免許証 、マイナンバーカードなど)
③委任状(認印で可)
④会社法人等番号

抵当権設定者(不動産の所有者)
①権利証(登記済証、登記識別情報)
②印鑑証明書(発行から3か月以内のもの)1通
③本人確認情報(運転免許証、マイナンバーカードなど)
④委任状 (実印で押印)
⑤住宅用家屋証明書(登録免許税低減用)

【抵当権設定の登記費用】

【登記費用】 消費税込み
報酬 \22,000~  (※1)
必要書類の作成 \5,500~
登録免許税 債権額×0.4%
租税特別措置法の低減措置
 ・居住用建物 債権額×0.1%
追加設定の場合 追加不動産1個につき\1,500
実費等 登記事項証明書、家屋証明書等必要書類の取寄費用
※1 債権額2000万円以上は500万円毎に¥1,100追加
   不動産5個以上は1個毎に、権利者4名以上は1名毎に、¥1,100追加

※2 権利証がない方で、法務局提出の本人確認情報が必要な場合は、別途費用がかかります
   。上記2-2本人確認情報の作成費用をご参照ください。

3-3.根抵当権について

根抵当権とは、「一定の範囲」に属する「不特定の債権」を極度額の限度において担保する
抵当権です。

抵当権が1回の貸付に対して不動産を担保とするのに対し、根抵当権は一定の期間内に継続
的に発生する貸付や売掛金等に対して、不動産を担保とします。また、根抵当権は、その不
産から優先的に支払いを受けることのできる極度額もあわせて設定します。

このため、根抵当権は、債権者(根抵当権者)と債務者の間に継続的な取引がある場合に利
用され、主に会社や個人事業主が利用者となっています。また、被担保債権の利息、損害金
等は、極度額の範囲まで制限なく担保されます。

登記事項
【必要的記載事項】
①極度額
②債権の範囲(金銭消費貸借取引、小切手債権、など)
③債務者(複数でも可)
【任意的記載事項】
④元本確定期日

必要書類
根抵当権者(金融機関、取引相手等)
①登記原因証明情報(設定契約書など)
②本人確認情報(運転免許証 、マイナンバーカードなど)
③委任状(認印で可)
④会社法人等番号

根抵当権設定者(不動産の所有者)
①権利証(登記済証、登記識別情報)
②印鑑証明書(発行から3か月以内のもの)1通
③本人確認情報(運転免許証、マイナンバーカードなど)
④委任状 (実印で押印)
⑤会社法人等番号

【根抵当権設定の登記費用】

【登記費用】 消費税込み
報酬 \22,000~  (※1)
必要書類の作成 \5,500~
登録免許税 極度額×0.4%
追加設定の場合 追加不動産1個につき\1,500
実費等 登記事項証明書、家屋証明書等必要書類の取寄費用
※1 極度額2000万円以上は500万円毎に¥1,100追加
   不動産5個以上は1個毎に、権利者4名以上は1名毎に、¥1,100追加
※2 権利証がない方で、法務局提出の本人確認情報が必要な場合は、別途費用がかかります。      上記2-2本人確認情報の作成費用をご参照ください。